労働災害
⬛︎労働災害とは
労働災害(労災)とは、業務上の傷病・負傷・障害または死亡のことをいいます。「業務上」の傷病といえるためには、かかる傷病が、業務に起因することが条件となります。「業務上」の傷病と認められた場合には、過失の有無にかかわらず、使用者は法律の定めに従って労災にあった従業員に補償をしなければなりません。
⬛︎労災保険
しかし、会社に常に十分な補償ができるだけの余裕があるとも限りません。そこで、国は労災保険制度を導入しています。
労災保険は、国が運営する保険であり、全事業者に加入が義務づけられています。保険料は、国が使用者から徴収します。
労災が発生した場合で、従業員が労基署に申請し、労災認定を受けた場合は、療養費や休業補償、障害補償など、法律に従って必要な補償がなされます。先述したように使用者は、労災にあった従業員に補償をする義務を負いますが、ほとんどの場合、労災保険によって補償範囲は全てカバーされるため、労災が発生したとしても使用者が直接的に補償義務を負うことはありません。
なお、使用者が労災保険に未加入の状態で、労災が発生した場合でも労災保険は交付されます。労災後であっても、労災保険には加入できますが、最大2年分の保険料を追徴されることになります。ただし、労基署からの指導を無視して未加入のまま放置し続けたなどの事情から、悪質なケースだとみなされた場合は、給付金の一部または全額の負担を強いられるなどさらに重いペナルティが課せられることも考えられます。
人を雇用する場合には、確実に労災保険に加入しておき、万が一労災発生時に加入していなかった場合には、早急に加入手続きを行うことが求められます。
⬛︎民事上の責任
先述した、労災にあたっての補償は、法律で定められた補償責任であり、労災保険でカバーされる範囲もその限度に限られます。
それとは別に、労災にあった従業員やその家族から民事訴訟で損害賠償請求されることも考えられます。民事訴訟は、労災補償とは独立した制度なので、労災補償の有無にかかわらず行われます。
使用者が、民事上の損害賠償責任を負うのは、使用者の指導や指示などが原因で労災が発生した場合や、使用者が従業員の安全や健康に配慮した職場環境を整備するためになすべきことを怠っていた場合などが考えられます。
星野法律事務所では、労働災害に関する業務に対応しております。労災発生時の従業員との折衝や民事訴訟への対応などを通じて、労使トラブルやコンプライアンス上の問題を回避しつつ、より有利な経営が行えるようサポートいたします。名古屋市、清瀬市、稲沢市、北名古屋市で就業規則などの問題でお悩みの方は、ぜひ星野法律事務所までご相談ください。また、当事務所では愛知県のほか岐阜県、三重県からのご依頼にも対応しております。同地域の方からのご相談もお待ちしております。