問題社員を円満に解雇するには / 星野法律事務所

星野法律事務所 > 労務対応 > 問題社員を円満に解雇するには

問題社員を円満に解雇するには

無断欠勤やハラスメントを繰り返すような正社員を正当に解雇するのは、問題社員といえども、会社にとってはかなり高いハードルといえます。

具体的に、ハードルとは、法律により会社が社員を解雇することができる要件が定められており、これらの要件に合致しなければ社員の解雇は不当なものとして扱われてしまうことを意味します。

 

法律によって、解雇には一定の制限がかけられています。会社(使用者)による解雇は、解雇を行う客観的な合理性を欠き、社会通念上相当であると認められない場合、権利の濫用として、無効となります(労働契約法16条)。逆に、①客観的な合理性があることと②社会通念上相当であると認められることの2つの要件が満たされれば、解雇は会社の正当な権利行使として認められます。ここで、解雇の指標となるのは就業規則です。常時10人以上の社員(労働者)を雇っている会社は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならないことになっています(労働基準法89条)。その就業規則の中に「退職に関する事項(解雇の事由を含む)」についても作成しなければなりません(同条3号)。これに沿って解雇の手続きを進めることが最低限のルールとなります。

 

また、社員(労働者)を解雇しようとする際に、会社(使用者)は少なくとも30日前に解雇することの予告をしなければならないことになっています(労働基準法20条1項前段)。30日前に解雇予告をしない場合には、会社は社員に対し30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません(同項後段)。

 

このように、会社からの解雇を行う際には、一定の要件を満たす必要があります。そのため、退職勧奨により自主的に問題社員を辞めさせるという方針も考えられます。退職勧奨は、法律による制限は特にないため、会社にとっては便利な解雇手段になります。そして、あくまで問題社員側の自主的に円満な退職ということになります。しかし、自主退職を勧める言い方により、会社による違法なハラスメントとして訴えられる可能性がありますので、十分に注意する必要があります。

 

星野法律事務所では、名古屋市、清須市、稲沢市、北名古屋市を中心に、愛知県、三重県、岐阜県の皆様から、契約書・債権回収・労務対応・経営改善計画等のご相談を承っております。労務対応に関してご不安な方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

星野法律事務所が提供する基礎知識KNOWLEDGE

  • 就業規則や規定に関す...

    ⬛︎労働条件を決める規則労働条件は、個々の従業員との合意に基づき、契約で定めるのが原則です。しかし、...

  • 契約書のリーガルチェ...

    取引先との契約するときに契約書を作成することがほとんどです。契約書に沿って取引先との商品引渡しや代金...

  • 事業承継

    事業承継とは会社を次の後継者へと引き継ぐことをいいます。近年、事業承継は国をあげて対策を取る問題とな...

  • 労働災害

    ⬛︎労働災害とは労働災害(労災)とは、業務上の傷病・負傷・障害または死亡のことをいいます。「業務上」...

  • キャッシュフローとは

    ■キャッシュフローキャッシュフローとは会社に出入りするお金の流れをいいます。お金の流入をキャッシュ・...

  • 就業規則の内容を変更...

    ■就業規則とは就業規則は、会社とその従業員とを結ぶ、雇用に関するルールのことをいいます。常時10人以...

  • 債権回収を弁護士に依...

    債権回収を弁護士に依頼すれば、豊富な知識と経験をもとに有利に交渉を進めることができ、早期の問題解決を...

  • 自主的なサービス残業...

    ■サービス残業とはサ-ビス残業とは、適切な賃金が支払われない時間外労働のことをいいます。例えば、時間...

  • 従業員から労働審判を...

    従業員から労働審判を起こされたときに、会社側はどのような対応策を取るべきでしょうか。そもそも労働審判...

  • 契約書トラブルが生じ...

    契約書は、結んだ契約の内容を証明する重要な書類です。したがって、契約内容について疑義が生じた場合や、...

よく検索されるキーワードKEYWORD

代表弁護士紹介INTRODUTION

代表弁護士 星野俊治
代表弁護士
星野 俊治(ほしの しゅんじ)
所属団体

愛知県弁護士会

愛知県中小企業診断士協会

ご挨拶
会社経営では、取引先との契約トラブル、経営権を巡る争い、労使紛争、事業承継問題、税務など、さまざまな問題が起こります。そうした会社経営に関する各種の問題について、専門的立場から適切な対応を助言するとともに、契約書等の法律的な文書の作成・チェック、法的トラブルの未然防止、訴訟対応その他の法的サービスを提供し、企業経営をサポートいたします。お悩みごとがありましたら、まずはご相談ください。

事務所概要OFFICE

名称 星野法律事務所
代表者名 星野 俊治(ほしの しゅんじ)
所在地 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内1-9-11丸の内伏見通ビル6階602
電話番号/FAX番号 TEL:052-228-0312FAX:052-228-0313
営業時間 平日9:30~18:30 ※事前予約で時間外も対応致します。
定休日 土・日・祝日 ※事前予約で対応致します。

ページトップへ