就業規則の内容を変更する際の流れ
■就業規則とは
就業規則は、会社とその従業員とを結ぶ、雇用に関するルールのことをいいます。常時10人以上の従業員を雇用する事務所で作成することになっています。
就業規則においては、労働時間や賃金に関する事項等を定めることになっており、会社のルールを明らかにする役割を果たしています。
就業規則では、必ず定めなければならないとされる「絶対的明示事項」と、会社に制度がある場合には必ず定めるべきとされる「相対的明示事項」を内容に盛り込みます。これらの事項を定めておかなければ、いざという時に従業員や会社を守ることができませんし、従業員と会社とのトラブルが発生した際にも、適切な対応をとることができなくなってしまいます。そのような意味で、就業規則は非常に重要なものなのです。
●就業規則の内容を変更する際の流れ
就業規則は、一度作ってしまえばそれでよい、というものではありません。
会社の経営状態の変化や、法律の改正といった状況に応じて、その都度内容を見直し、変更する必要があります。
それでは、就業規則の内容を変更する際の流れについて、詳しく見ていきましょう。
①変更案を作成する
まずは、就業規則のどの部分をどのように変更するのかについて、変更案を作成します。
その際には、変更後の内容が法令違反となっていないことを確認する必要があります。
②就業規則変更届および意見書を作成する
労働基準監督署に提出するため、就業規則変更届を作成します。また、労働者の過半数を代表する者の意見書も必要となります。
代表者は民主的方法で選出し、意見書の作成に協力してもらいましょう。
③労働基準監督署に提出する
新たな就業規則とともに、作成した就業規則変更届と意見書を、労働基準監督署に提出します。
④変更内容について周知する
就業規則を変更することについて、社内に周知します。その際には、従業員が就業規則を自由に閲覧できるような環境を整えましょう。
また、社内への周知に関して重要なこととしては、不利益変更が挙げられます。就業規則の変更は、従業員にとってプラスになることばかりではありません。
変更後の内容が従業員にとって不利益なものになる場合があり、これを不利益変更といいます。そもそも、就業規則を変更する場合には会社側と従業員側とで合意が必要とされていますが、そのような合意がない場合であっても、例外的に不利益変更が有効とされる条件があり、それを充足する必要があります。
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